言語聴覚障害について

吃音

吃音は「どもり」とも呼ばれ、発話の際の「ためらい」や、音の「繰り返し」「引き伸ばし」などの症状、それに心理的な不安、緊張、話すことを避ける傾向を持つと言われています。2歳から4歳頃の幼児期に出現し、発生率は国や人種を問わず人口の1%前後、男女比は3:1で男性に多いとされています。

治療によるほか、自然に治ることもありますが、治癒せずに成人まで持ち越すこともあります。これまでに世界中でさまざまな研究が行われて来ましたが、はっきりした原因は判っていません。
主な説には環境説、素因説、欲求抑圧説などがあります。その中でも環境説は、ことばの習いたて、覚えたての頃は、同じことばを繰り返したり、思い通りに言えずに口ごもったりするものですが、それに対して親が過度に反応し、どもりというレッテルをはることから、学習されるという考え方で、幼児期の治療法のひとつである環境調整法に応用されています。
幼児を直接、訓練の対象にせず、ことばに関する親の要求、干渉、罰、それに厳しすぎるしつけなどをカウンセリングなどによって調整すると、うまく改善を示すことがあります。
成人の場合にはリラクセーション法やメンタル・リハーサル法など、直接ことばの問題にアプローチする方法が選択されますが、どうしても学業や仕事が優先され、じっくり治療に取り組めないなど幼児とは異なる難しさがあります。
吃音の問題で悩んでいる時には、教育、医療、福祉機関の言語聴覚士に相談されることをお勧めします。